Chapter3 -2-#04 - TopGear
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Chapter3 -2-#04 

【#04】





東久留米と別れた瀬能は、駅前の音楽スタジオにて、バンド仲間の小西、椋平と共に
二日後に控えたライブに向け、最終調整に余念がない。


はずなのだが・・・――


『やっぱオレたち、天才じゃね!?』

『マジイケるっしょ!』

『だよな!!』

鼻息荒く過剰な自己称賛で天狗になる小西と椋平に、

(オイオイ、どっからくるんだよ、その自信は!!!)


瀬能は少し苛立っていた。


『――なぁ小西、まだ時間もあるし、もう少し練習した方がいいんじゃねぇか?』

『はぁ? もう充分練習しただろ~。なあ、ムク?』

『そうそう! オレたち超ガンバったっしょ~?』

鏡の前で髪のセットをしている椋平は、見るからにやる気がない。

『いや、でも、スタジオ借りてバンド練なんて、滅多にできねぇんだし――』

『大丈夫だって! 絶対ウケるって!!』

『ウケるってなんだよ! お笑いのライブかよ! てか、論点そこじゃねぇし!!』

『わはははは! 瀬能っちおもしれー』

瀬能は全く笑えなかった。

『それより小西、ライブってどこのハコで演るんだ?』

『ハコ?』

『ライブハウスとか』

『あ~、フフン。それは当日のお楽しみだ』

『え~マジでぇ~?』

不満そうに声をもらしたのは椋平だった。どうやら小西と親しい彼でも、その詳細は
知らされていないらしい。だからと言って納得出来るはずもなく、

『俺、告知とかなんもしてねぇけど、本当にチケットも売らなくてよかったのか?』

『ノープロブレムだ。宣伝もチケットノルマも必要無い!』

『へ~、マジそれで客集まんの?』

椋平の問いに、小西は自信たっぷり「大丈夫だ」と頷く。一体どんなカラクリが――!?
深まる謎に、瀬能は嫌な予感しかしなかった。

『お前まさか、クラスメイト全員もれなくご招待とかしてないだろうな!?』

『はあ? するかよ、バーカ』

『本当だろうな!? 中学ん時の同級生とか呼んでないよな!?』

『呼んでねぇよ』

『そ、そうか・・・』

『お前らは大船に乗ったつもりで、どーんとオレに任せてりゃいいんだよ!』


結局、「少なくとも昔を知る人間は来ない」という確認以外、小西から肝心なことは何も
聞き出せず、スタジオ使用時間のリミットを迎えてしまった。
――彼らと話している時間を個人練習にでも使えば良かった。と、気付いた時には後の祭り。
機材を片付けながら、瀬能は激しく後悔するのだった。


◇                  



『あ~腹減ったぁ』

『なんか食ってく?』

『おー、そうだなぁ』

精算を済ませ、三人がスタジオから出ると、辺りはすっかり暗くなっていた。

『あー俺、帰るわ』

『え、瀬能っち門限でもあんの?』

『いや、ちょっと野暮用が・・・』

『ふ~ん。じゃあ日曜日、駅前に朝8時集合な。遅れんなよ!』

『ああ』

三人はそこで解散し、小西たちは駅の方向へ、瀬能は商店街へと歩き出した。



◇                  



――閑散としてきた商店街の一角、シャッターの降りた店の前。馴染みの歌声とギターの旋律は、

(いた! 東久留米! これで帰れる!)

裸眼の瀬能にとって、危険な夜道を照らす唯一の光だった。
同時にそれは自分の不甲斐なさを映す光のようで――



『なにやってんだよ、俺は・・・』







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category: story 1

thread: 創作モノ

janre: その他

Posted on 2014/02/04 Tue. 20:00  edit  |  tb: --  cm: 0  

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