Chapter3 -1-Introduction - TopGear
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Chapter3 -1-Introduction 

【Introduction】





桜も散り果て、若葉の芽吹く、四月の終盤。
小夜美高校の中庭から、激しいロックテイストの曲が響き渡っていた。


『安嬉!! ベースがリズム乱すな!!』

『ぐあああ、指が動かねえええ!!』

『おい! 雑に弾くなっつってんだろ!!!』

そこには早朝から汗だくで、必死に練習をする安嬉と誠二の姿があった。


――トップギア結成から一週間。
しかしその音合わせも、まだまだ快調とは言い難かった。


『なぁ安嬉、お前もしかして “イザナイ” 以外の曲、弾けないのか?』

『えっ!?』

意表を突かれ、安嬉がぎくりと固まる。

『う、うへへ。ただいま練習中だってばよ!』

図星、だったのだろう。おどけて見せる安嬉だったが、その目は明らかに泳いでいた。

『・・・そうか』

『あれ!? もしかして誠ちゃん、ガッカリした!?』

『いや、オレは別に・・・』

確かに、期待外れだったのかもしれない。

あの時屋上で聴いた “イザナイ” は完璧だった――。
そのせいか、誠二は安嬉が他の曲も当然のように弾けるものだと思い込んでいた。

『――で、でも “イザナイ” は、受験終わってから本格的に練習始めて、マスターした曲だし。
その “イザナイ” を誠ちゃんが課題にしたのも、おれたちが運命の赤い糸で結ばれてたからで』

『落ち着け安嬉!』

誠二は動揺する安嬉の肩を掴むと、

『オレは、バンド辞めたりしないから』

その目を真っ直ぐに見つめ、なだめるように言い聞かせた。

『ほ、ほんとに・・・?』

『ああ。だから焦るな。レパートリーはこれから増やしていけばいいだろ?』

『お、おれ、誠ちゃんがおれと、バンド組んで良かったって思えるように、頑張るよ!』

その気持ちは誠二も同じだった。
返事のかわりに、安嬉の肩をポンポンと叩くと、

『そろそろ教室に戻るか』

誠二はギターを片付け始めた。

『ところで安嬉。他のメンバーはどうなってんだ?』

『うん?』

『オレ達、バンドやるんだよな?』

『That's right!』

『だったら、他のパートも必要じゃないか? ボーカルとか、ドラムとか』

『あ! そういえば、おれたちまだ二人しかいないじゃん!』

『おい』

『よ~し!! んじゃあ、もういっちょポスターとステッカー、ばら撒いてきますか!!』

『ばかっ! オレはもう便所掃除は御免だからな!!』

『あははっ、な~んちゃって♪ 嘘。冗談だよ、冗談!』

『いや・・・今、目がマジだったよな?』


誠二は一抹の不安を感じていた。




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category: story 1

thread: 創作モノ

janre: その他

Posted on 2013/01/16 Wed. 20:00  edit  |  tb: --  cm: 0  

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