Chapter2 -4-#05 - TopGear
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Chapter2 -4-#05 

【#05】





彼女のバンドにこだわる理由――それは未消化の夢を叶えるためだった。
そして彼女なら、その夢も実現可能だろう――と、東久留米は思う。

『そうか。イイ奴と組めるといいな。俺は応援くらいしかできないが・・・』

『あっ! それなら――』

何かを思いついたように、ミザリーはバッグから携帯を取り出した。

『乃くんのメールアドレス教えてよ!』

『メアド? そんなもん知ってどうすんだよ』

『誰かいい人見つけたら、私に教えて!! ね?』

『言っとくが、俺ぁそこまで顔広くねぇぞ』

渋る東久留米に、ミザリーは頬を膨らませる。

『今、応援するって言ったよねぇ? ほら、赤外線でパパッと交換するだけだよ!』

『・・・はぁ』

結局、彼女の勢いに押され、東久留米はため息と共に携帯を取り出した。
ところが、一向に送信されないデータに、ミザリーが首をかしげる。

『どうかしたの?』

『つ、使ったことねぇから、赤外線のやり方知らねぇんだよ!』

赤外線通信など、友達の少ない東久留米にとって、無用な機能でしかなかった。

『もー、しょうがないな~。貸して! 私がやってあげる』

『お、おう』

ミザリーは二つの携帯ポートを向かい合わせ、赤外線通信を始めた。

『ほー、さすがだなぁ』

『これくらい簡単よ。むしろ出来ない方がおかしいわ』

彼女の辛辣な返しに、東久留米が白目を剥いた。
その時――

<カシャッ>

シャッター音が高らかに鳴った。

『おい、なにやってんだよ!!』

咄嗟に東久留米が携帯を取り戻そうと腕を伸ばす。
が、その手はミザリーに容易くかわされ、むなしく空を切る。

『登録完了!』

『いい加減にしろ!』

得意満面のミザリーから、今度こそ携帯を奪い返した東久留米。
しかし携帯を開いた次の瞬間、彼は愕然とする。

『おいふざけんな! なに勝手なことしてんだよ!!』

『ふふ、そんなに怒らないでよ』

全く悪びれる様子もなく、ミザリーは荷物をまとめ始めた。

『じゃあ、私帰るね。今日はありがとう』

そう言って、ミザリーは領収書を手に取り、颯爽とレジへ向かった。
呆気に取られている東久留米へ、清算を終えたミザリーが振り返り、指をさす。

『それ、消したら許さないからね』

最後にニッコリと微笑んで、彼女は帰っていった。

『・・・悪魔か』


店内に残された東久留米は、再び携帯を開く。
持ち主の意に反し、待ち受け画面にはミザリーの笑顔が映し出された。

『ったく、恐ろしい女だな』

そしてもう一つ。アドレス帳に新たに加わった“ミザリー”の名前。

(そういや、初めてかもなぁ・・・。ハル以外で、こんなに話し込んだの・・・)


終始ミザリーのペースに振り回されていた東久留米は、厄介な存在だと思いつつ、
彼女にも、新しい仲間との出会いが訪れることを、心から願わずにはいられなかった。






【二章:終】






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category: story 1

thread: 創作モノ

janre: その他

Posted on 2012/12/27 Thu. 20:00  edit  |  tb: --  cm: 0  

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