Chapter2 -4-#04 - TopGear
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Chapter2 -4-#04 

【#04】





――時は数年前に遡る。

12月某日。ミザリー達ボランティアグループは、同じくボランティアで送迎を手伝う保護者のライトバンに
乗り合わせ、校外のシニアセンターへと向かう。

センターに着いた一行を出迎えたのは、電飾に彩られた大きなクリスマスツリーだった。
会場となるフロアーでは、たくさんのお年寄りがグループごとに、料理やケーキの載った丸テーブルを囲み、
歓談しながら、ステージのマジックショーを楽しんでいた。

マジックが終わり、拍手の中、ステージにカーテンが引かれる。
次はミザリー達、音楽グループの出番だった――。


『それで何をするかと思えば、突然ミッちゃんが一人で三味線を弾きだして、本当にびっくりしたわ』

『え、三味線?』

『そう、三味線。ミッちゃんは私と同じ、日本人とアメリカ人のハーフで、日本のカルチャーが
すごく好きな子だったから』

『はぁ、なるほどそれで・・・』

見た目に反し、彼女の日本語が上手いことに納得し、東久留米は大きく頷いた。


『ミッちゃんはね、その三味線で各テーブルを回って、リクエストされた曲を唄うの。たまに
日本の歌も唄ったりね。だけど最後には演歌調で “ジングルベル” を唄いだして、もう大爆笑!』

『ははは、渋っ! つうかもう、立派なエンターテイナーだな』

『そうなの! だけど、本当にすごいのはその後で――』


――盛り上がる会場。ステージのカーテンが再び開く。
そこにはドラムにキーボード、ギターにベースと、
グループの上級生達が演奏のスタンバイをしていた。

そして、驚くミザリーをよそに、ステージで歌いだしたのは、
三味線をマイクに持ち替えた “ミッちゃん” だった。

音楽グループ本来の目的は生バンド演奏であり、あの三味線は
セッティング中の、ほんの座興に過ぎなかった――。


『圧倒されたわ』

その声は微かに震えていた。

『ミッちゃんのあの小さな身体で、どうしてあんなにパワフルに歌えるのか不思議で。
最初から最後まで鳥肌が止まらなかった・・・』

『そんなにすごいのか?』

『それはもう! お年寄りの血圧が上がり過ぎてドクターストップがかかるくらい、すごい盛り上がりだったわ』

『はは、そいつはスゲー』

『私もいつかあんなライブがしてみたくて・・・せめてサブギターでも参加できるようにって
その日以来、裏方でお手伝いしながら、ギターを猛練習したの!』

『へぇ、あんたも案外、努力家なんだな』

ミザリーは苦笑する。

『結局、その努力も報われなかったけどね』

『報われなかった?』

『ようやく私にもギターのパートが回ってきたところでね。ミッちゃんがお家の事情で急に
日本に行く事が決まって・・・。バンドもそのまま解散になっちゃったの・・・』

『あぁ、それは・・・残念だったな』

『うん。すごく残念だった。でも、だからって私の夢は消えたりしない。だったら、今度は自分で
“自分のバンドを組もう” って、そう決めたの!』




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category: story 1

thread: 創作モノ

janre: その他

Posted on 2012/12/22 Sat. 20:00  edit  |  tb: --  cm: 0  

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