Chapter2 -4-#03 - TopGear
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Chapter2 -4-#03 

【#03】






『ごっそうさん!』

ハンバーグステーキを平らげた東久留米が、勢いよく手を合わせ、軽く頭を下げた。
そんな日本人らしい彼の所作に、ミザリーはニッコリ笑うと、スッと席を立ち、
ドリンクバーからホットコーヒーを二つ持って戻ってきた。

『はい、どうぞ』

カップをテーブルに置いたミザリーは、再び東久留米の対面の席に腰を下ろした。

『わ、悪いな。何から何まで』

『いえいえ』

ミザリーは両手で包みこむように持ったコーヒーカップに、ふぅふぅとに息を吹きかけていた。
こういう何気ない仕草でも絵になるものだと、東久留米は思う。
一瞬、彼女の息に、拗ねたようなため息が混じった。

『はぁ、でもほんと。私、乃くんと組みたかったなぁ・・・』

『あんた程の実力なら、一人でも通用するだろうに』

『一人じゃダメ。バンドがいいの』

『なんでそこまで “バンド” にこだわるんだ?』

人と群れる事を嫌う東久留米には、純粋な疑問だった。
ミザリーは少し考えて、口を開いた。

『私が13歳の冬にね、両親の仕事の都合でニューヨークに住むことになったの』

『へぇ?』

唐突なグローバル展開に、東久留米は気の抜けた相づちを打った。

『その時通い始めたスクールがさ、地域のボランティアとかに、すごく力を入れてて
課外授業の一環として、生徒は必ずグループで校外活動しなきゃいけなかったのね』

『マジかよ。俺だったら絶対、バックレるわ』

『あ、でも、ボランティアで誰と何をするかは、生徒で自由に決める事ができたんだよ』

『いや。それでも、俺には無理だ!』

あまりにも自信たっぷりな東久留米の物言いに、ミザリーはクスクスと笑う。

『まぁ、私も正直、無理だと思ったけどね』

東久留米が驚いたようにミザリーを見返す。
まさか彼女も “ただ働き” が嫌なのか!? ――そんな一抹の不安が、胸によぎる。

『・・・だって、いろんなボランティアが参加者募集してるし、掲示板には募集の紙が
いっぱい張ってあるんだもん! その中でどれが自分に向いてるかも判らないじゃない?』

『ああ。そういう事か』

無用な心配だった。と、コーヒーを一口啜ったところで、

『――それにほら、私こう見えて内気な性格でしょ?』

東久留米は危うくコーヒーを吹き出すところだった。

『は? 誰が内気だって?』

『昔はそうだったの! それでなくても転校したばかりで友達もいなかったし・・・』

『あぁ、そいつは大変だったろうな』

『だけどある日ね、掲示板の前で途方に暮れてたら、ミッちゃんって子が声を掛けてくれたの。
「これからシニアセンターでクリスマスパーティーがあるんだけど、一緒に来ない?」って』

シニアセンターと聞いて、東久留米は、いわゆる老人ホームをイメージしたが、実際は日本の
デイサービスに近いものである。

『ちょっと迷ったけど、そのグループが音楽でボランティア活動してるって聞いて、私も思い切って
参加してみることにしたの』




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category: story 1

thread: 創作モノ

janre: その他

Posted on 2012/09/27 Thu. 20:00  edit  |  tb: --  cm: 0  

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