Chapter2 -4-#01 - TopGear
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Chapter2 -4-#01 

【#01】








数週間後――。



駅近くの大通りに面したファミレスには、向かい合わせに座る、東久留米と
ミザリーの姿があった。


ジャージに下駄と言う、シンプルを通り越して、貧乏くさい格好の東久留米に対し、
ブロンドのサラサラヘアーに、ほのかに甘い香りを纏う、美少女のミザリー。
その組み合わせは、店員や客が思わず二度見する程に、不釣り合いだった。


『やっと誘いに乗ってくれたね。ちょっと嬉しいな』

『毎週毎週、あんだけうるさく話かけられりゃ、誰だって折れるぞ』

『ふふ。乃くんって歌は優しいのに、ほんっと。話すと言葉にトゲがあるよね』

『悪かったな』

腕を組んでムッとする東久留米を、ミザリーはクスクスと笑う。

『でも、そういう正直で裏がないとこ、私は好きだけどね』


一瞬の沈黙。

<ぐぅ~ぅるるる・・・>

言葉の代わりに、東久留米の腹から、間の抜けた音が鳴り響いた。

その音は、確実にミザリーの耳にも届いたはずである。
しかし、彼は平静を装い、何食わぬ顔で彼女にメニューを突き出した。


『お、おう。早くなんか選べよ』

そうして、自分もメニューを眺めるのだが


『っつうか、俺、万年金欠じゃねぇか! 食えねぇよ! アホか!!』


現実は容赦なかった。


『あはははは。乃くんって面白い!!』

ミザリーは声を出して笑った。

『いいよ、いいよ! 今日は私から誘ったんだし、好きなの選びなよ。奢ってあげる』


 武士は食わねど高楊枝。
――人は貧しくとも、気位を高く持って生きねばならない――

ましてや、男の立場で年下の女性に奢らせるなど、言語道断! 末代までの恥!
・・・とまでは思わなくとも、彼にとって本意でないことは確かである。

とは言え、


<ぐぎゅぅ~~ぅぐるるる>


一向に鳴り止まぬ腹の虫に、背に腹は替えられず・・・。


『お、おぅ。・・・悪いな!』


東久留米は速やかに心の楊枝をへし折ると、ミザリーの厚意を有り難く受け取り、
メニューの中でも一番安い “ハンバーグステーキ” を注文するのだった。





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category: story 1

thread: 創作モノ

janre: その他

Posted on 2012/08/30 Thu. 20:00  edit  |  tb: --  cm: 0  

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