Chapter1 -4-#01 - TopGear
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Chapter1 -4-#01 

【#01】






千葉の拳が眼前を掠める。
誠二は避けるが、思うように身体が動かない。

「ハァハァ――」


暗闇に千葉の白い顔が浮かぶ。

「うふふ、たっぷり可愛がってあげるわよ、誠二ボーイ」

「クソッ」

――くん・・・

「――?」

――せい・・・くん!


遠くで響く夏花の声に、誠二の意識が覚醒を始めた。
同時に焼けるような痛みが、全身に走る。


『せいじくん!?』

『――ッ!!』


目を開ければ、見慣れた天井。


『ここ、オレの部屋・・・?』


ぼんやりとする頭。今だ状況が飲み込めない。

(でも、どうやって・・・?)

『赤毛くんがね、せいじくんを負ぶって、ここまで運んでくれたんだよ』

『あいつが・・・?』


夏花が心配そうに誠二の顔を覗く。


『大丈夫? 痛いとこない?』


正直、千葉から受けた多大なダメージを訴えるように、身体は悲鳴を上げている。
しかし夏花の手前、誠二は『大丈夫』と気丈に振る舞いつつ、ゆっくりと上体を起こした。


『それより何で、なつがここにいるんだ?』

『あたしがあの赤毛くんに、せいじくんを止めてって頼んだの』

(また余計な事を・・・)

『あ、今余計な事すんなって思ったでしょ!』

夏花に心を見透かされ、誠二は動揺を見せる。

『いや、でもな、あの赤毛野郎、止めるワケじゃなく、これ見よがしに演奏会してたんだぞ?』

『どうせ口で言っても、せいじくん聞かないでしょ?』

『大きなお世話だ! ・・・わざわざアンプまで持ち出して、うざいんだよ!!』

『ああ、あれね。軽音部から借りたんだよ』

『・・・は? よく貸してくれたな』

『あはは、まさかぁ』

『え・・・?』

『勝手に借りたに決まってるじゃない。あの人達、せいじくんの事見捨てたんだよ?』


夏花は当然でしょ、と言わんばかりの顔をしている。


『ったく、なにやってんだよ・・・。午後の授業だってサボってんだろ? いいのかよ、優等生』

『良くないけど・・・二人のこと、ほっとけないでしょ?』


こうして夏花は、こどもの頃からいつも誠二の世話を焼いてきたのだ。


『・・・そういえば、あいつは? 帰ったのか?』

『赤毛くんならさっき飲み物買ってくるって』

ちょうどその時、

『たっだいま~!』


安嬉が意気揚々と誠二の部屋へ入ってきた。


『ただいま~ってここ、オレん家』

『やや! 誠ちゃん、お目覚め!?』

『あぁ、今しがたな』

『おれコンビニでリンゴジュース買ってきたんやけど、誠ちゃんも飲む~?』

『これは、かたじけない』

『ぶぼっ!?』

安嬉は飲みかけのリンゴジュースを盛大に噴出。

『え? 何? 今なんて? 武士? 武士なの?』

『う、うるせぇ! なんでもねぇよ!』

誠二は真っ赤な顔で狼狽し、

『あははははは、武士だって!』

それを見ていた夏花が笑う。
暖かな午後。春の陽気も手伝って、和やかな空気が三人を包む。

安嬉はまた少し、誠二に近づけた気がしていた。




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category: story 1

thread: 創作モノ

janre: その他

Posted on 2012/08/08 Wed. 20:00  edit  |  tb: --  cm: 0  

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