Chapter1 -3-#07 - TopGear
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Chapter1 -3-#07 

【#07】






“イザナイ”の演奏も佳境を迎える。


『このアタシの美しいフェイスに、よくもキズをつけたな・・・』

千葉はゆらりと立ち上がり、血液混じりの唾を吐き、口元を拭う。
誠二をヒタと睨みつけるその眼光には、明らかな殺意が見てとれた。



『ブチ殺す!!!!』


ベースの激しいリズムに合わせるように、千葉が猛然と連打を浴びせる。
誠二はとっさに間合いを取り、千葉のわき腹目掛け蹴りを入れるが
千葉のガードは堅く、ダメージを与えることが出来ない。
それでも誠二は果敢に立ち向かう。


やるか、やられるか――ギリギリの死闘が続く。


一方、外野で騒いでいた不良達は、残らず安嬉に蹴落とされ、無様に伸びきっていた。


やがて、フィニッシュ目前、


<――ブツン!>


突如、ベースの音が消えた。


『あーーっ! 誰だよアンプのコンセント抜いたのー!!』


それは同時だった。

カウンターの右ストレート。
千葉の拳を再び顎に食らい、誠二がその場に崩れ落ちる。


『――誠ちゃん!!?』


音の無い世界。薄れゆく意識の中、誠二の眼に映るのは
どこまでも青い空と、穏やかな春の日差しと――あの赤い髪。


『まだ、終ってねぇ・・・よ』



決着。二人の闘いは、千葉の勝利で幕を閉じた。
しかし、負けたはずの誠二の表情は、どこか満足そうで――。


『ちっ、もういいわ。アンタ達、何寝てるの!? 行くわよ!!』


伸びていた不良達は、ヨロヨロと立ち上がり、千葉の後に続く。

『不甲斐ねー。千葉さんは勝ったのに俺たちは・・・』

『黙りなさい!!! いぃのよ!! 今日はこれで』


千葉は舎弟を一喝すると、頭上の安嬉を見上げた。


(まさかこのアタシが、あんなヤツの音楽のせいで不覚をとるなんて・・・)


『千葉のネエサンよ!! どうだった? おれ達のパフォーマンス。クレイジーだろ?』

『とてつもなくね。トップギア・・・覚えとくわ』

『ししし。おう!! いずれデッカくなるから絶対覚えときな!』



千葉本来の実力なら誠二の攻撃は、一発も当たるはずはなかった。
しかし、安嬉のサウンドと呼応するような誠二のケンカは、まるで
ライブパフォーマンスを見ているようで



―― 惚 れ た !!!



(なんて、言えないわ!!)



千葉はその背中に哀愁を漂わせ、静かに屋上を後にした。





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category: story 1

thread: 創作モノ

janre: その他

Posted on 2012/08/07 Tue. 20:00  edit  |  tb: --  cm: 0  

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