Chapter1 -2-#02 - TopGear
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Chapter1 -2-#02 

【#02】




誠二が提示した課題――それは事実上「バンド勧誘お断り」の一曲だった。


不規則な旋律で聴く者を翻弄し、魅了する――blackoutの曲。
中でも最も変則的で、高度な技術が要求される“イザナイ”。
テンポ、メロディー、コードと、何もかもが異常なスピードのため
到底三日でマスターできる代物ではなかった。


(マイナーな曲だけど、オレはこれがどうしても弾いてみたくて
毎日毎日没頭して弾きまくって。指の皮だって、めくれあがるほど
練習して、練習して・・・それで、やっと弾けるようになったんだ。
にわか仕込みでオレの納得いく演奏なんて、出来るはずがないんだよ)


『それはそうと、どうやって聴くんだ? コレ』

『貸せ! うちが先に聴く』

『何だと!? 我々が先だ!!』

『はいは~い、ごめんなさいよ。よっこらせっと』


安嬉はもめる勧誘者たちに割って入り、一昔前のCDラジカセを誠二の机にドンと乗せた。


『おお! 赤毛、気が利くじゃねえか』

(こいつ、いつの間に・・・)

『あれ、このテープ巻き戻さなきゃ』

安嬉はカセットテープを受け取り、すぐさま巻き戻しを始めた。

(うちのクラスのラジカセは壊れてたはず・・・まさか、自分のクラスから持ってきたのか!?)

見ればCDラジカセの背面に「1-1」と書いてある。
安嬉の対応力と行動力に、誠二が感服していると、巻き戻しボタンがバチンと跳ね上がった。


『それでは皆さんお静かに~再生しますよー。ポチっとな』


安嬉が再生ボタンを押す。一同息をのみ、耳を済ませる。
数秒のブランクの後、スピーカーからイントロが流れ――


『――!?』


その曲を耳にした誰もが、度肝を抜かれた。


『なんなんだ! このデタラメな曲調は!!!』

『耳が追いつかん!!!』

『おい、バンドスコアはないのかよ!』

『く・・・くく』

『ど、どうした!? 義心 安嬉が 震えだしたぞ!』


『くわはははは!!!!』


『何だ!? 赤毛の野郎、難しすぎて混乱してんのか?』

『blackoutの“イザナイ”じゃんコレ!!』

『赤毛お前、この曲知ってるのか!?』

『知ってるもなにも、この曲ならおれ、すぐにでも弾けるんだけど』


『なんだってえええ!?』


驚く一同。誠二もにわかに信じられないといった表情で安嬉を見据える。


『・・・は? 何言ってんだよお前、ハッタリか? この曲はな、blackoutの中でも一番難しい曲なんだ。
並大抵の奴じゃ弾けな――』


<ガラガラ、ガシャーン!!>


誠二の言葉を遮るかのように、けたたましく扉を開き、また新たな来訪者がやってきた。




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category: story 1

thread: 創作モノ

janre: その他

Posted on 2012/07/29 Sun. 20:00  edit  |  tb: --  cm: 0  

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