prologue -1- - TopGear
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prologue -1- 

【#01】






『きゃあーーーっっ!!! 一体誰ですか!!
こんなイタズラをしたのはあああ!!!!』





その日、小夜美高校の平和な朝は、生徒会長の絶叫で幕を開けた。



――春。
入学間もない一年生の校舎に、艷やかな美しい黒髪を靡かせ
一人の女子生徒が颯爽と現れた。


彼女は一組の前で足を止めると、その見た目には似つかわしくない豪快さで
教室の扉を勢い良く開いた。と同時に、にぎやかだった教室が水を打ったように
一瞬にして静まりかえる。


上級生である彼女の突然の登場に、その場に居た生徒は皆一様に固まり、
そして視線だけを窓際のある席へと、一斉に向けるのだった。

案の定、彼女は固まる生徒達には目もくれず、窓際へと直行していく。
そこには、ぐったりと机に突っ伏している、赤毛の男子生徒がいた。



『あなたが、義心 安嬉君ね』

そう声を掛けられ、安嬉は眠たそうに赤毛頭を持ち上げた。

『わぁ! 驚いた!なんで生徒会長の砺波 裕奈ちゃんが、おれの名前知ってるの~?』


声の主が生徒会長だとわかり、安嬉は目を見開いた。


『当然です』

『あ、やっぱり~? おれみたいなイケメン、生徒会長さんもほっとかないよね~』

『えぇ、放っておけません・・・』

『えっ!! 告白!? マジで!!?』


『生徒会長として・・・こんなイタズラをする犯人は!!!


期待を込めて見つめる安嬉の机に、裕奈は一枚の紙を叩きつけた。






【#02】



pop_on.jpg





『あーっ!これ、おれが作ったポスター!』


それは、安嬉自作 “バンドメンバー募集” のポスターだった。


『どう? イカすっしょ!? いや~ぁ、なかなかイィ宣伝の方法が思いつかなくってさぁ・・・』

『それで、校内のいたる所にこれを貼った・・・と?』

『そそ、ステッカーも見てくれた? あのデザインもなかなかイィっしょ~♪』


得意気に笑って話す安嬉に、裕奈の絶対零度の冷たい視線が注がれる。


『あなたは私がなぜ、ここに来たのか、理解できていないようね・・・』


裕奈の放つ、ピリピリとした空気が、やじうま的に二人を見ていた周囲の生徒達にまで伝染する。



『あ! もしかして、応募者第一号!?』


<なんでだよ!!>



安嬉の斜め上の回答に、固唾を飲んで見ていた生徒達が、心の中で総ツッコミを入れた。



『違 い ま す !』




【#03】



文武両道、才色兼備、クールビューティーと名高い、小夜美高校生徒会長・砺波 裕奈の顔が
みるみる真っ赤になっていく。


『えー? 違うの~? 会長みたいな美人さんなら、大歓迎なのに~ぃ』

『わ、私は生徒会長として、あのポスターやステッカーを外すように忠告しに来たんです!!』

『えーーっ!? せっかく、早起きして貼ったのに~ぃ?』

『知りません!』

『ゆーなんの、ケチケチぃ~!』

『ゆ、ゆーなん・・・? もう、なんでもいいから! 早くしなさい!』


しかし安嬉は動じない。


『じぃ~・・・』

『な、なんですか?』


さっきまで軽口ばかりだった安嬉に、マジマジと見つめられ、裕奈は柄にもなく戸惑いを見せる。


『ゆーなんは怒った顔も、ステキ!』



春先の麗らかな陽気が、一変して凍りつく――。



『ひいぃぃぃいい!!』



阿修羅のごとき生徒会長の姿に
その場に居合わせた者は皆、恐怖に震え、慄いた。





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category: story 1

thread: 創作モノ

janre: その他

Posted on 2012/07/25 Wed. 20:00  edit  |  tb: --  cm: 0  

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