Chapter2 -6-#04 - TopGear
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Chapter2 -6-#04 

【#04】


翌早朝、雨は未明に上がったのか、街にはうっすらと霞がかかる。


未だ昇りきらない太陽に背を押され、ミツは熊本の名物菓子「いきなり団子」を
食べながら、ゆっくりと家路を辿っていた。


――昨晩は、いつの間にか寝てしまい、恩師に多大な迷惑をかけてしまった。
その非礼と失態を、ミツが深く詫びると、ボブは笑って許してくれた。
それどころか、家にも連絡してくれていたと言う。

「お家の人、あんまり心配しとらっさんかったみたいよ?」

それが逆にボブを心配させてしまったらしい。

常識的に考えれば、保護者が迎えに来る場面である。
それを、「お世話になります」の一言で片付けられてしまったのだ。


「先生のこと信用してるんだよ」


ミツがそう言うと、ボブは少しだけ笑って、それ以上訊くことはなかった。
重ねて、ミツが泊めてくれたお礼を言うと、ボブは朝食代わりに
「いきなり団子」を持たせてくれたのだった――。

あんこの甘みと、ボブの優しさが、疲れたミツの心に、温かく沁みる。


あれから、どれくらい歩いただろうか。ようやく自宅の最寄駅も見えてきた。
見慣れた風景に迎えられ、ミツは安堵と共に、疲労感を覚えた。


『帰って少し寝れるかなぁ』


ミツは時間を確認しようと、習慣的にポケットから携帯電話を取り出した。
真っ暗な画面が目に入り、否応なく現実へと引き戻される。


『ああ、そうか』


昨日の出来事が、一気にフラッシュバックする。
すべて夢だったら、どれだけよかっただろう・・・。そんな感傷すら虚しい。


(今はとにかく、あいつらから逃げることを考えよう)


『まずは帰って、安嬉に連絡して、練習場所も変えてもらって、それから・・・』


ミツの足が止まる。

自宅までは、ほんの数十メートルの距離である。
しかし、数メートル先の人影を視認した途端、体は硬直し、動かない。


(どうしてここに・・・)



そこでミツが見たのは、二度と関わりたくないと思っていた
あの男の姿だった。


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Posted on 2012/04/30 Mon. 03:00  edit  |  tb: --  cm: 0  

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