Chapter2 -4-#08 - TopGear
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Chapter2 -4-#08 

【#08】






ビルの一階、薄暗い廊下の奥で、エレベーターが開く。
ミツは箱から飛び出すとすぐさま、近くにあった消火器を、
廊下とエレベーターの境目に置いた。
閉まりかけた扉は消火器に触れると、再び間口を大きく開けた。


『これですぐには追って来れないだろ』


機械的に開閉を繰り返す扉を見て、ミツは呟いた。
しかし、すぐ横には階段もある。
誰かが追って来ないか気配を窺うが、その様子もない。
ミツはせっかく足止めの為にと要した労が、虚しく感じられた。


(怒って追いかけてくるかと思えば、肩透かしもいいところだな)


結局、最終審査とやらに落ちたのか、はたまたナイキの暇つぶしに、付き合わされただけだったのか。
存外その程度の理由だったのかもしれない。

釈然とはしないが、それでも嫌がらせにはなるだろうと、ミツは消火器を置き土産にして帰る事にした。


『そうだよな。あいつらに見つからないように、明日からスタジオ替えて練習すればいいんだ・・・』


(それでも探して、追いかけてきたら・・・)


不安を振り切るように歩きだしたミツは、同時に眩暈に襲われた。

昼間の陰湿さを湛えた灰色のビル街は一変。
そこに広がる風景は、眩いばかりのネオンに彩られ雨に濡れたアスファルトが、鮮やかな夜の街を
映し出している。



『どこだよ・・・ここ』


人々の情欲を飲み込んでいく夜毎の喧騒。
降り続く雨に傘も無く、自分の所在すら不確かなミツは、戻る道も判らず、独り途方にくれた。






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Posted on 2012/04/28 Sat. 04:00  edit  |  tb: --  cm: 0  

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