Chapter2 -5-#02 - TopGear
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Chapter2 -5-#02 

【#02】



『トシはいつまであのバンドば続けるとね? 本業だけでも忙しかろうてに』

『う~ん。そやけど、彼が壊した機材の修理費に、怪我を負わせた子達への
慰謝料やら、まだまだようさん支払いも残っとるしねぇ』

『なんでトシがそこまでせなんとね!?』


何故か、と問われ、吐死夜は困ったように笑う。


『なんででしょうねぇ?』

『なんね、トシはナイキに、弱味でも握られとっとね?』

『弱味・・・と言うか――』


吐死夜の胸に、あの日の思いが去来する――


『責任、やろか・・・?』

『責任・・・?』

『だって、危なっかしくて、放っとかれへんでしょう?』

『放っとけばよかよ! トシが構うけん、ナイキが調子に乗るったい』

『ははは、手厳しいなぁ』

『なんがおかしかとね』


ボブの的を射た意見に、吐死夜は笑うほかなかった。

――人間嫌いで、自分と他人の価値も距離も「音楽の才能」というただ一点でのみ量り、
バンドのメンバーすら換えのきく「道具」としか見なさない――そんなナイキを
吐死夜は見捨てる事がどうしてもできないのだ。


一方のボブは、吐死夜の煮え切らない態度に、腑に落ちない
と言った面持ちで、グラスに残ったカクテルを一気に呷っていた。


『ボブはん、もう一杯どうです? 今日は僕のおごりですよ?』

『もうよかよ。明日も仕事だけん』

『ふふ、日本人より真面目やね』

『なん、酒に弱かだけたい』


ボブがオーバーに肩をすくめながら、おどけて笑うと
吐死夜もようやく、心から笑う事ができた。



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Posted on 2012/04/29 Sun. 01:00  edit  |  tb: --  cm: 0  

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