Chapter1 -4- - TopGear
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Chapter1 -4- 

【#01】






『やめろ! 離せ!』

ミツの怒声が響く――。


『仲間を助けたいのか? だったらお前もかかってこいよ。ん? どうしたぁ? ちびってんのかぁ?』

『・・・・・』

しかしミツは、ナイキを見据えたまま動かない。
ただ握られた拳だけが、小刻みに震えていた。

『はぁ~? 男のくせに、ケンカもできねぇのか? 情けねぇなぁ! おい』

『・・・あんたも男のくせによく喋るヤツだな』

『ああ!?』

『オレはケンカができないんじゃない。人を殴る趣味が無いだけだ』

『ハハハ、ヘタレの言い訳じゃねぇか! そんな綺麗事がどこまで通用するんだ? あ?』

しかしミツは、どんなに煽られても、手を出す素振りは見せなかった。
ナイキはつまらなそうにため息をつく。

『まぁ、そんなヘタレちゃんでも歓迎するぜ? ボーカルならな! ハハハ』

『嫌だって言ってんだろ! いいから誠二を離せ!』

『はぁ~? なんで俺がお前の言うこと聞かなきゃなんねぇんだよ? 自分の立場弁えろよな~あ。
お前が、俺に、土下座して、お願いするんだろ?』

『なに? 土下座すれば誠二を解放するの?』

『あぁ、そうだな。俺は寛大だからな』

ナイキはニヤニヤと不気味な笑みを見せる。
ミツは無言で膝を折り、床に両手をついた。

『やめろ! ミツ! こんなヤツにお前が頭下げる筋合いはない!』

『おいおい、負け犬の分際で偉そうに。本当なら「ごめんなさい」するのはお前の方だろ? それを
心優しいお友達が、お前なんかの為に頭を下げてくれてんじゃねぇか。感謝くらいしろよな~』

『先に手を出したのはオレ達の方だ。悪かった。この通りだ。だから頼む。誠二を解放してくれ!』


ミツはナイキに躊躇いなく頭を下げた。
誠二は情けなさと悔しさに涙を落とし、歯噛みした。




【#02】



『あ~違うなぁ』

ミツは顔を上げた。

『!? 何が違うんだ? ちゃんと謝っただろ!?』

ナイキの瞳が冷たく光る。

『俺はお前に謝れなんて言ってねぇ。お願いしろって言ったんだよ』

尚も冷徹さを滲ませた声が囁く――。


『俺のバンドに入れてくださいってな』



愕然とするミツとは対象的に、ナイキは再び薄ら笑いを浮かべた。

『ん? どうしたぁ? 早くしないとコイツの腕、折れちゃうぜぇ~?』

ナイキがジワジワと誠二の肩に体重を掛ける。

『う・・・ぐぁっ』

誠二が痛みに耐え切れず呻き声を上げた。

『まぁ、コイツの腕が折れて、ギターが弾けなくなった所でなんの問題もないよなぁ』

『どうせ出ない芽なら、早めに摘んだ方がコイツの為だろ? ハハハハ!』

ミツは屈辱に唇を噛み、荒い呼吸に大きく肩を揺らしていた。



――激しい葛藤の末、呼吸を整えると
数拍の間を置き、ミツは静かに口を開いた。



『・・・わかったよ』




【#03】



『そう言ってミツは・・・オレの解放を条件に、アイツに――ナイキについていったんだ・・・・』

安嬉は言葉を失った。

『お前たちが来るまで、なんとかアイツを引き止めようとしたんだ・・・でも、腹に蹴り入れられて
・・・・・・情けねぇ・・・気絶しちまった』

次の瞬間、弾かれた様に瀬能が部屋を飛び出した。

『ちょっ! ハルピン!』

慌てて安嬉は後を追う。

が、廊下には奏が無言で立っていた。
その傍らで、奏に襟首を掴まれた瀬能が喚きながら暴れている。

『離せ! 離せよ!』

『ピーピーうるせぇんだよ! トサカ!』

奏はそのまま瀬能の襟を引っ張り、安嬉に投げて寄越した。

『大体どこに行く気だ! 場所も知らねぇだろ!?』

『でも今追えば・・・』

叱責の替わりに奏は瀬能をキツく睨む。

『姐さん、何か知ってるの?』

『あぁ、事情は把握した。ったくあのバカ! どこまでお人好しなんだ・・・!』


安嬉の問いに、奏は悔しさを吐き捨てるように返した。



【#04】



――奏がひと仕事終え、店番の為スタジオに戻ってみると
受付カウンターに一枚のメモが残されていた。



「セイジからボーカル紹介してもらったぜ
                 ――亡威忌 」



奏は事務所に駆け込み、防犯カメラの映像を確認した。
そこには確かにナイキが居て誠二と揉めていた。

そして・・・――



『だからあいつには関わるなと言ったのに!!』


奏は激しく壁を殴りつけた。
瀬能と安嬉は、奏の気迫に気圧されている。

『すまん、姐さん・・・』

その声に、安嬉達が振り向く。そこには誠二が、痛む腕を押さえ、フラつきながら立っていた。

『ちっ! アタシに謝ってもしょうがねぇだろ!』


誠二はやり場のない後悔に打ちひしがれた。


『あんた達も音楽続けたかったら、金輪際! あの男に関わるんじゃないよ!』

『え? なにそれ、手を引けってこと?』

安嬉は耳を疑った。

『ちょっ! なんでだよ! こっちは仲間を取られてんだぞ!?』

その言葉に瀬能も噛み付いた。

『勝手にみっちゃん連れてかれたのに、はいそうですかって引き下がれるわけないでしょ!?』

安嬉が真剣に反論している。 その語調から、はっきりと怒りが窺える。


奏は大きく溜め息を吐くと、面倒臭そうに頭を掻いた。

『あんたたち、ちょっとこっち来な』


三人は顔を見合わせると、言われるままに奏の後に続き事務所へと入って行った。





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Posted on 2012/03/27 Tue. 00:00  edit  |  tb: --  cm: 0  

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