Chapter1 -2- - TopGear
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Chapter1 -2- 

【#04】


誠二は目の前の男に対し、印象を改めた。

(なんだ、姐さんは嫌っていたけど、そんなに悪いヤツでもなさそうだな・・・)

誠二の警戒心が緩んだのを察してか、男が自己紹介を始めた。

『ああ、そういえば紹介がまだだったな。
俺はglamourus666<グラマラス サタン>の菊原 亡威忌だ。ヨロシク』

『キクハラ・・・・ナイキ・・・?』

そう呟く誠二の目を覗き込むように、ナイキは応えた。

『あぁ、忘れられねぇ名前になるぜ・・・クククッ』

(嫌な眼だ・・・)

やはり奏の忠告は聞くべきだ。

誠二はこれ以上関わるのを避けようと、ナイキから目を逸らした。


『用が無いなら、帰ってくれないか?これから練習なんだ』

『練習~ぅ? 学芸会のか? あ、それともお笑いのか! ハハハハハ!』

『なに!?』

瞬時に誠二の目の色が変わる。

『しっかし、カナが目をかけてるっつうからどんなバンドかと期待してみれば、
ギターなんか下手くそじゃねぇか! ハハハ!』

『なんだと!?』


ナイキのあからさまに人を見下した笑いに、誠二は敵意を剥き出しに声を荒らげた。



【#05】



ちょうどその時だった。

『誠ちゃんどうしたの~?』

タイミング悪くミツがスタジオに現れたのだ。

『・・・誰? 取り込み中?』

『な、何でもない・・・ミツはロビーで待ってろ』


誠二と知らない男との間に流れる険悪な空気を、ミツは察した。

『よ~お。お前もこいつのお仲間?』

『・・・そう、だけど?』

『パートは? 何やってんだ?』

ミツは馴々しく話し掛ける男に怪訝な表情を見せる。

『ボーカルだけど?』

『へぇ~』

ナイキはニタニタと意味ありげな笑みを浮かべた。

『お前さぁ、こんな腐れバンドよりうちに来ねぇか?』

『は?』

初対面で腐れバンド呼ばわりされては、さすがのミツも不快感を隠せないようで、
ナイキを見る目が厳しくなる。

『まぁ、こんな底辺バンドのボーカルなんて、たかがしれてるけどな・・・ククク』

『おい! さっきから腐れだの、底辺だの、うちのバンドの何を知ってるんだよ!
オレの腕はともかく、ミツの歌は本物だ!! バカにすんじゃねぇ!!!

『誠二!』

完全に沸点を超えた誠二の耳にミツの制止の声は届いていなかった。



【#06】



飛び掛る誠二を、ナイキはみぞおちを抉るような重い一発で、返り討ちにする――。

『ごほっ・・・ぐ、うぇっ』

誠二は腹を押さえ、床にうずくまった。

『誠ちゃん!』

慌てて誠二に駆け寄ろうとするミツの前に、ナイキが立ち塞がる。

『!!』

『おっと 手が滑ったんだよ、悪い悪い・・・ククッ』

そう言いながら悪びれる様子もなく、ナイキはうずくまる誠二の背に腰を下ろし
おもむろにタバコをくわえ火を点けた。


『どけよ!』


恫喝したミツは、ナイキを鋭く睨みつける。
ナイキも紫煙を吐きつつ、ミツの頭から足の先まで、値踏みするように眺めていた。

『はぁ~、本物ねぇ~。だったら尚更うちに来てもらおうか?』

『誰が行くか! さっさと誠二から下りろ! このうんこ頭!』

『ハハハ、反抗的だなぁ。そんな態度じゃ、ま~た手を滑らせるぜ? ん?』

ナイキはタバコの火を誠二の顔へ近づけ、チラつかせた。

『ごほっ、えほっ!』

誠二が煙に咽せる。

『ぐ・・・誰が・・・渡すかあああああ!!



【#07】



誠二が背中のナイキを払うように、勢い良く立ち上がる。

『おおっと』

ナイキも咄嗟に飛び退いた。

『この椅子、動くぞ・・・! なんてな! ハハハハハハ』

ナイキは面白可笑しそうに天を仰ぎ、廻りながら笑っている。

頭のネジが吹っ飛び、完全にイかれている。そういう人間の危うさが窺えた。
そして、そんな姿が余計に癇にさわる。

『ふっ・・・ざけんなああああぁあ!!!』

誠二はフラつく足元で、ナイキに蹴りを入れた。

『おいおい、無理すんなって! お前は床に転がってんのがお似合いだぞ、と』

ナイキは笑いながら誠二の蹴りをかわし、背後に回ると、そのまま軸足を払い、たやすく誠二を
ねじ伏せてしまった。

誠二も一瞬の事で、その身に何が起きたのか分からなかった。
気付けば腹這いになり、左腕を背中側に捻り上げられていた。

ナイキに関節をキメられ誠二の顔が痛みに歪む。

『やめろ! 離せ!』

ミツの怒声が響く。

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Posted on 2012/03/25 Sun. 01:00  edit  |  tb: --  cm: 0  

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